STDは自然に発生するものではなく、
すでに感染している人から「うつる」ものです。
性行為の経験のある全ての人に、感染する可能性があります。
どういう症状があると
検査の必要がありますか?
STDは性行為の中でウイルスや菌を含む血液、精液、膣分泌液などを媒体として感染したり、粘膜などの密接な接触により感染します。
外陰部や膣のかゆみや炎症、おりものの色や匂い、量の変化といった異常が認められるときは迷わず検査にお越しください。
自覚症状がなくても、不妊や子宮外妊娠の原因になる感染症も存在するので、セックスパートナーが代わるたびに検査を受けることが最善の策です。
また、B型肝炎の感染経路のひとつにも性交渉があります。
クラミジア感染症はクラミジア・トラコマティスが原因です。
症状はほとんどありませんが、おりものが増加する傾向があります。
誰もが持っているカンジダ・アルビカンス(真菌・カビ)が膣内に繁殖して起こる病気です。
普通は腸内に寄生しているため便に混ざっており、そこから菌が付着することが多いものです。
通常でも1割ぐらいの人は膣内にカンジダ菌がいると言われています。
健康な時には菌が付着しても普通は発症はしませんが、疲労や妊娠などで、体の抵抗力が落ちている人、糖尿病や抗生物質を長期間服用した人などがかかりやすくなります。
トリコモナス原虫が感染者とのセックスで性器に感染して発症します。
まれに、浴場やプールで感染することもあります。
症状はおりものが増え、外陰部がかゆくなりますが、無症状の場合もあります。
単純ヘルペスというウイルスが原因です。感染者とのセックスで感染します。ただし、感染しても発症しない場合があります。
症状は外陰部に小さな水疱ができ、水疱が破れるとびらん(ただれ)になります。
外陰部の違和感から始まり、ピリピリとした痛みを感じます。
水疱が破れると排尿時や入浴時などに激しい痛みを感じます。
ヒトパピローマウイルスが感染者とのセックスで性器に感染します。感染しても発症しないことがあります。
女性に多く見られます。
症状は、外陰部に小さいいぼ(腫瘤)が数個できます。痛みはありませんが、放置しておくと、
いぼが徐々に大きくなりながら数を増やし、外陰部から膣へと広がります。
HIV(ヒト免疫不全ウイルスの略称)というウイルスがエイズの原因です。
このウイルスは血液、精液(男性)、膣分泌液(女性)にいます。感染者とのセックスで感染することが多いのですが、ほかに薬物乱用(注射器の使い回し)、感染者の血液から作られた血液製剤の使用などでも感染します。
妊娠中や出産時に母子感染することもあります。
梅毒トレポネーマという病原体が感染者とのセックスによって感染します。
お母さんが梅毒にかかっていると、赤ちゃんも感染します。
淋菌という細菌が、キスやセックスなど粘膜の接触により感染します。オーラルセックスが一般的になった近年では、女性ののどから淋菌が検出されるケースも増えてきているようです。
男性の場合、比較的強い痛みなど症状が出やすく、女性より男性は比較的早期に治療を受けるケースが多くなっています。
肝炎ウイルスにはいくつかのタイプがありますが、B型肝炎ウイルスによって肝臓の細胞が破壊されてしまう病気がB型肝炎です。
B型肝炎ウイルスは血液、唾液、精液、膣分泌液に潜み、セックスの際の傷から感染する可能性もあります。